Telecom FreeTalk

ヤル気が失せるね  No.78
 今日は久しぶりにグチ。まあ、なんつーか、ガックリ来ますね。何がって、今日のボーダフォンの発表。いや、発表内容じゃなくて、その手際というか、連絡ですね。ったく、勘弁してくれって気分なのです。

 こういう商売をしてるんで、常日頃から忙しくても記者発表や展示会には、できるだけ顔を出そうって心掛けています。ここでも過去に何度となく、発表の席の話を書いたりしたけど、いろんな人に直接、話が聞けるし、うまくすれば、実機も触れる。そういう積み重ねは原稿を書くときにも役立つだろうし、読者や視聴者のみなさんも雰囲気を知りたいだろうしね。

 ただ、それができるのは「発表があることを知っていれば」の話。そう、実は今日のボーダフォンの記者発表は、ボクのところに案内が来なかったわけですな。今日、発表会があることを知ったのは、開始のわずか30分前。遅刻してもいいから、クルマでカッ飛んでいこうかと思ったけど、何かアホらしくなって、やめにしました。

 フリーで仕事をしてると、たまにこういうことが起きるんですよ。ボクとしては一応、ケータイの業界に貢献してきたつもりだし、辛口なことは書くけど、別にボーダフォンに指名手配されるようなことはしていないはず。普段はちゃんと広報からニュースリリースをもらってるのに、何故か今日は案内がなかった。そんなときに限って、こんな大事な記者発表だったりするわけで……。まあ、ハッキリ言って、ムカつきますわ。

 こういうことが起きると、「やっぱり、日本って看板中心の組織社会なんだ」って思いますね。重要なことは組織が持つ看板であって、個人を評価する仕組みとか構造なんて、ほとんどない。その人がどんな人で、何をやってるかなんてのは二の次で、重要なのはどの組織に属していて、そこがどんな組織なのかってこと。個人で活動する人なんて、さっぱり評価されない。フリーでライターをやってると、つくづくそれを感じます。ボクは名前が珍しいので、まだ覚えてもらいやすい方だけど、ありふれた名前のライターさんなんて、もっと苦労しているはず。ボクとしては精いっぱい業界に貢献してきたつもりなんだけどなぁ……。

 そういや、先日もちょっと驚いたことがありました。今年の春、ボクがNHKの番組に出てたことは、ご存知の人も多いはず。周りのいろんな人に「見ましたよ〜」「緊張してましたねぇ」なんて冷やかされ、あげくの果てには新聞の集金に来るおばちゃんにまで「この前、出てましたね」と言われる始末(笑)。さすがNHKってところでしょうか。番組的にはいろいろと足りない部分があったかもしれないけど、底上げが求められている業界にとって、多少なりとも恩返しができたと思ってました。

 ところが、先日、ある携帯電話メーカーの事業部の方にお会いしたら、何とあの番組の存在すら知らないという……(笑)。ははははは。いや、笑えないね。こうなると、もうコメントする気にもなれない。ハッキリ言って、呆れましたね。携帯電話を専門的にやってる部署の人で、そんなもんなのかって。掲示板でケータイを語ってる人たちの方がよっぽど熱心な気がする。でも、そんなことでいいんでしょうか。

 巷では、プロ野球の再編で「たかが選手」とか「オレの知らん会社は……」って発言が話題になってますが、お偉方のみなさんは結局、自分たちの組織のことしか考えてない。労使交渉もしかたなく選手と向き合ってる感じで、選手たちの向こうに何千万というファンが存在するなんてことは、かけらも意識してない。

 もしかすると、ボクらが関わっている業界の企業もあのお偉方と同じスタンスなのかって思っちゃいますね。メディアや最前線でモノを売ってる販売店の向こうに、実際に製品やサービスを利用するお客さんが存在するかもしれないっていう意識はあるのかな。たかが100人かそこらのメディアにちゃんと情報を発信できない人たちに、何千万人のお客さんとコミュニケーションできるとは思えないんだけど……。

 しかしまあ、こういうことが起きると、ムカつくだけじゃなくて、だんだんヤル気が失せてきますね。足りないところがあるにせよ、読者や視聴者のみなさんからメールをもらって、わずかながらも評価されてるつもりでいたけど、未だにこういう扱いを受けるんじゃねぇ。いつまで経っても儲からないし、そんなに評価もされないんだったら、この際、もうケータイの記事を書くのはやめてやろうかと……。まあ、今日はそういうムカついた日なのでした。
2004/09/22



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