Telecom FreeTalk 1998年10月版


1998年10月10日 SOHOってなに?
1998年10月11日 モバイルコンピューティング
1998年10月23日 SOHOってなに? Part.2
1998年10月23日 ポケットボードな人たち


1998年10月10日

SOHOってなに?

 ここ数年、コンピュータ業界でよく使われるようになった言葉『SOHO』。今さら説明するまでもありませんが、Small Office/Home Officeの略です。メーカーやソフトウェアのニュースリリースを見ていると、「SOHO市場をターゲットにした……」なんていう文章をよく見かけます。

 Small Office/Home Officeというのは、読んで字の如し、「小規模のオフィス」「在宅ワーカーの自宅兼仕事場」なんていうのを表わすわけですが、この定義が非常に曖昧になっているような気がします。たとえば、あるメーカーに取材をしたとき、SOHO向けの製品が100万円もするというので、そのメーカーが想定しているSOHOユーザーの社員数を聞いてみたところ、「まあ、100人に満たない程度ですかね」と真顔で答えられてしまい、思わず返す言葉を失いました(笑)。心の中で「そりゃあんたの会社に比べりゃ、みんなスモールだけどさ」なんてつぶやいてました……。

 ボクの回りにあるSOHOの具体例というと、グラフィックデザイナーさんが数人(あるいは10人強?)で作ったデザイン事務所、イベントの企画や運営を請け負う会社、個人営業のライターやイラストレーターさんの事務所(ウチもそれに近いか?)、業務用プログラムを開発する会社、コンサルティング会社なんてところでしょうか。人数的には少なければ1人か2人、多くて10数人くらいってところです。そういう規模の会社がいきなり100万円の製品をポンと買えるかっていうと、そりゃ買えるわけありませんし、リースしようにも元々、信用なんてありませんから、そう簡単にリース会社からOKも出ません。

 「SOHO向け」と書けば売れるという盲信がメーカーにあるのかもしれませんが、もうちょっと現状を正しく認識して、製品を企画してもらいたいもんです。ちなみに、我が家は貧乏なので、100万円を超えるものはクルマくらいしかありません(笑)。


1998年10月11日

モバイルコンピューティング

 SOHOと並んで、よく目につく『モバイルコンピューティング』という単語。たぶん、日本ではじめてモバイルコンピューティングという言葉を使ったパソコンは、日本アイ・ビー・エムのThinkPad220だったように記憶しています。ボクも持ってましたが、売ってしまいました。今さらながら、ちょっと残念……。

 よく「きっと法林さんだから、バリバリにモバイルしてるんでしょう」なんて言われますけど、実はあまりモバイルには熱心じゃありませんでした。今まで何度もノートパソコンの持ち歩きにはチャレンジしましたが、結局、本格的に持ち歩けたのは今年の春に出た東芝Libretto100から。それまでの製品は、ボクが考えるニーズを満たしきれなかったんですな。パソコン以外では、HP 200LXPalm Pilotなんかを持ち歩きましたが、これらはどちらかと言えば、PDAに近い存在で、通信などはほとんどしませんでした。

NTTドコモ ポケットボード
NTTドコモ ポケットボード

 ところで、「今もっともおすすめのモバイルツールはなに?」って聞かれれば、1998年7月版でも紹介したNTTドコモポケットボードでしょうね。WWWページは見られませんが、メールだけなら超カンタンです。7月と8月はかなり品薄でしたけど、ようやく製品が潤沢に出回りはじめたので、ちょっと探せば、すぐに買えると思います。店によっては予約も受け付けているようです。ボク自身も常時携帯し、ときどきメッセージを書いています。

 「ポケットボードって意外にイケるかも……」と思い始めたのが5月か6月あたり。モノを入手して、いろいろ遊んでいる内に、調子に乗って『できるポケットボード』なんて本も書いちゃいました。ぜひ、本とポケットボードをセットにして、奥さんや彼女にプレゼントしてください(宣伝モード(笑))。この本を執筆するにあたり、OLの方々にインタビューをさせてもらい、いろいろと勉強させていただきました。その話はまたいずれ。

NTTパーソナル パルディオEボード
NTTパーソナル パルディオEボード

 ポケットボードと言えば、PHS版の『パルディオEボード』という製品がNTTパーソナルから登場しました。お手軽さは兄貴分(姉貴分?)のポケットボードと同じですが、実はメニュー回りなどの細かい部分が変わっていて、使い勝手も少々違います。メールはNTTパーソナルのパルディオEメールを利用し、きゃらメールの送受信、NTTドコモのポケットベルへの送信、パルディオシリーズの電話帳編集などの機能も搭載されています。

 値段がポケットボードよりも高いのがナニですが、製品自体の完成度は負けず劣らずなので、PHSをお使いの方は試してみるといいかもしれません。ただ、ポケットボードに比べ、パルディオEボードは生産数が少ないので、もしかしたら入手が難しくなるかもしれません。欲しい人はお早めにどうぞ。



1998年10月23日

SOHOってなに? Part.2

 SOHO関連の話をもうひとつしましょう。

 雑誌とかを見てると、よくアンケートをやってますよね。インターネット上でも頻繁にアンケートページを見かけます。あれで気になるのが「どこでインターネットを使っているか」なんて質問。ボクみたいな自営業の人間だと、答えに困るんですよねぇ。選択肢として「勤務先」「自宅」「両方」の3つがあるんですが、我が家はどこに当てはまるんだろうって考えちゃうわけです。だって、自宅兼仕事場だけど、2カ所で利用してるわけじゃないし……。

 この程度なら、まだ許せます。ところが、「SOHOに関するアンケート」なんてヤツでも同じような項目があって、唖然とさせられることがあります(笑)。SOHO向けを謳う製品のユーザー登録ハガキでも同じように答えに躊躇することが多々あります。こうなってくると、もう「おまえらSOHOの意味わかっとるんけー!!」って感じですね。

 SOHOは決して『絵に描いた餅』ってことはありませんが、こういうシチュエーションに出会うと、「あー、やっぱりSOHOって社会的に認知されてないのねぇ」と痛感させられます。企業やお役人の方々も「SOHOマーケットに注目している」「これからはサテライトオフィスが……」なんてことを言うんなら、もう少し実状を把握して、それなりの対応をしてもらいたいもんですな。ったく……。


1998年10月23日

ポケットボードな人たち

 『できるポケットボード』を執筆するにあたり、何人かのOLの方にインタビューさせてもらったときの話を少し紹介しましょう。

 インタビューしたのはいずれも20代のOLの方々。会社でパソコンを使ってたり、自宅にパソコンを持ってる人も居ましたけど、ほとんどがいわゆる『パソコン持ってない派』。「パソコンが便利なのはわかるけど、20万円も出すのは……」「自分で使えるかどうかわからないので、とりあえずポケットボードにしてみた」なんて人が多いようです。メールが中心と考えると、20万円オーバーと1万円以下じゃ、勝負になりませんね(笑)。

 余談ですが、つい最近、友だち関係で「ポケットボードとLibrettoのどっちにしようか迷ってる」なんていう質問がありました。あ、もちろん、女性ですよ。「目的が違うから両方買えばいいんじゃないの?」って答えておいたんですが、そのコもとりあえずポケットボードを選んだそうです。約1万円のお手軽メール端末に負けちゃうようじゃ、東芝さんもLibrettoの構成を再考しなきゃダメですね(笑)。

 さて、インタビュー話に戻りましょう。OLの方々のポケットボードの利用目的は、ほぼ完全にプライベートな連絡のため。「仕事のメールなんて……」って感じでした。たとえば、街で何か面白いもの(バーゲン品とか)を見つけたとき、今日あった出来事、噂話なんてのが多いようです。つまり、電話をするほどではないけど、ちょっと伝えておきたいことをポケットボードでメールにして送ってるわけですな。送る相手は、同じようにポケットボードを持ってる友だち、インターネットのメールアドレスを持ってる友だちなんてのが多いようです。もちろん、カレシってのもあるようですが。

 あと、結構驚いたのがインタビューが終わりに近づいたとき、彼女たちのポケットボードをいきなり渡されたこと。「へ? 何するの?」と聞いたら、要するにボクらのメールアドレスを入れて欲しいってことなんだそうです。その後、ボクのポケットボードも渡したら、彼女たちの間をぐるっと一周して、メールアドレスが入力されて帰ってきました。ユーザーインターフェイスが同じだから、簡単に入力できちゃうんですね。

 この他にも、OLの方々にはいろんな形でノウハウを提供していただき、非常に勉強になりました。巷からは「マニュアルとたいして変わらないじゃん」なんていう意見もちらほら聞こえてきますが、ちゃんとノウハウは盛り込んでありますし、マニュアルにはない使い方も載ってます。でも、こういうのって、なかなか見えてこないんですよね(笑)。

ポケットボード用ケース
ポケットボード用ケース
ポケットボード用ケース
内部はポケット付き(見える?)

 ポケットボードと言えば、専用ケースがインプレスから500個限定で販売されていますが、実はこのケースに、ある意味ではNTTドコモのお墨付きとも言えるものなんです。裏話をバラしちゃうと、NTTドコモ自身がオプション品か、景品として製作する計画があったのですが、諸般の事情により、お蔵入りになっていたものを今回の書籍発売を機に、インプレスが引き継ぐような形で商品化したというわけです。まあ、インタビューしたOLのみなさんが「そのケースが欲しい〜」って言ってくれたおかげで商品化したような面もあるのですが……。どんな題材でもそうですけど、やっぱりユーザーの声って大事ですね。


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