Telecom FreeTalk 1999年9月版


1999年9月10日 NTTの定額サービスを受けて
1999年9月19日 伝言板サービスで起きた事件


1999年9月10日

NTTの定額サービスを受けて

 7月1日にNTTがISDNユーザー向けの定額サービスを発表して以来、いろいろな企業が定額インターネット接続サービスの計画を発表し、あちこちで活発に議論が行なわれるようになってきました。雑誌などでも定額サービスに関する記事が数多く掲載され、ボクもいくつかの雑誌で記事を書かせていただきました。

 INETERNET magazine '99年10月号にも書いたことなんですが、一連の記事を見てて感じたことがあります。それは多くのマスコミが「値段の話しかできない」という現実です。どこの雑誌を開いても「1万円は高いか安いか」「いくらなら許せるか」といった議論ばかり。そんなガキの買い物じゃないんだから……。ああ、情けないったら、ありゃしない。

 確かに、ユーザーにとって、料金は最も重要なファクターです。安ければ、安い方がいいに決まってます。無料PCが登場し、海外ではプロバイダも無料で提供されるところが出てきています。しかし、月額1万円ではあるものの、個人でも常時接続ができるようになったことで、日本のインターネットは大きく変わる可能性を秘めています。今までは必要に応じて、料金を気にしながらインターネットにつないでいましたが、常時接続になることによってユーザーの利用スタイルやニーズが変化し、サービスの形態やハードウェア、ソフトウェアを含め、インターネットと社会や生活との関わり全般が変わってくる可能性があるのです。

 たとえば、メールひとつ取ってもメール着信通知などのサービスは「10分おきにチェックするからいらない」という見方もあれば、「常にPCの電源をONにしたくないから、ISDN TAやルータに通知されると便利」という見方もできます。あるいは、常にメールを受信できる環境にするために、PCに新しい機能が搭載される可能性だってあり得るわけです。ボク自身もメールを受信する関係上、PCの電源は常に入れっぱなしですが、「電気代に響くなぁ」「もう少し静かになんないかなぁ」って考えます。オンラインソフトのダウンロードだって「通信料が気になるから、雑誌の付録CD-ROMを待とう」なんていう考えをしなくなるかもしれません。雑誌の付録CD-ROMはオンラインソフトが最も人気が高いわけですが、ユーザーが通信料を気にせずにダウンロードできる環境になれば、もっと違ったものが付録CD-ROMに求められるかもしれません。

 その昔、中村正三郎さんと対談させていただいたとき、「インターネットがもっと普及すると、生活が変わってくるかもね。たとえばさ、冷蔵庫にpingを打ったら、何が残ってるとかがわかったりするわけ(笑)」なんて話をしていたんですが(この話を聞いたときに、中村さんって天才だと思いました)、こんな話もあながち夢じゃなくなってくるかもしれないのです。

 ボク自身もPC業界のマスコミに関わる端くれですが、今回の一件は業界の力のなさに少々がっかりしました。もっと頭をひねって、本当に読者のためになる役立つ記事を作ってもらいたいもんです。しっかりしろ! > PC関連マスコミ



1999年9月19日

伝言板サービスで起きた事件

 NTTドコモマスターネットが提供する『10円メール』というサービスがあるのは、みなさんもご存じでしょう。NTTドコモの携帯電話にPDAやノートPCなどを組み合わせ、1回10円からメールが使えるというアレです。昨年来、ポケットボードの爆発的な大ヒットの影響で、マスターネット側も機材強化に追われているとか。

 この10円メールのオプションサービスとして、『伝言板サービス』が提供されています。10円メールのシステムを利用し、インターネットの掲示板システムと同じようなコミュニケーションの場を提供しようというものです。ポケットボードなどのメールしかできない端末でもコミュニケーションができるため、ポケットボードを買ったばかりの初心者にも人気が高いようです。拙著『できるポケットボード ピュア』でもその使い方を紹介しています。

 最近、この伝言板サービスを舞台にした事件が起きているという読者からの投稿があり、情報周知のためにここで取り上げることにしました。伝言板サービスはポケットボードの好調な売れ行きのおかげで、女性ユーザーが非常に多いと言われています。「素敵な出会いをしたい」と心をときめかせ、サービスを利用する人も多いとか(笑)。

 ところが、こうした女性ユーザーを狙い、メールで呼び出して、レイプ、ビデオ撮影、恐喝、ストーカーを行なってる輩がいるそうです。一応、ハンドルネームもわかっているんですが、ボクが裏を取ったわけではないので、ここでは紹介しません。もし、興味のある人は伝言板サービスに加入し、785チャンネルをお読みになってください。そこで、被害者をケアするための活動している方がいらっしゃいます。

 見知らぬ人に呼び出され、ノコノコと出かけて被害に遭ってしまうのは、本人の防衛本能にも多分に問題があるんですが、我々マスコミ側ももう少し警告を発するべきだったかなと、少し反省しています。特に、初心者を対象にした雑誌や書籍の場合、こうしたリスクがあることも紹介しないとマズい時期に来ているのかもしれません。被害者側が無防備とは言え、やはり罪を犯している人間は裁かれるべきでしょうし、こうした行動は社会的にも許されない行為です。もし、同じ業界の人で、『出会いはメールで……』なんていう記事を作られる方がいらっしゃったら、ちょっとでもこのことを思い出して、リスクを語ってあげられたら幸いです。同じことを繰り返さないためにも……。


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